日々のこと
No.2
「アポロって知ってるかい?」
「知ってる。初めて月へ行ったんでしょ?」
・・・
「テレビの中継を観ていたんだ。人間が初めて月に降り立つ瞬間をね。もうクラス中その話題で持ち切りだった」
エッセイ 2026/2/13(Fri) favorite fav ありがとうございます! edit_note
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天文台で星を見てみたい。
「天文台」という言葉の響きが好きだ。
その言葉に惹かれているといってもよいかもしれない。
「天文台」という1つの言葉から、たくさんの物語が生まれる。
小路幸也さんの『そこへ届くのは僕たちの声』という本がある。
その小説には、天文台が出てくる。
私の天文台へのあこがれは、たぶんこの本から来ている。
登場人物の一人であるかほりとその叔父の会話だ。
「アポロって知ってるかい?」この言葉はいつも胸にグッとくる。
宇宙どころか、自分たち人間の体にだってわからないことは多すぎる。
不安なものは多すぎる。それでも人間は宇宙へ出ていく。
「父さんは人間という動物のいいところは、わからないことを知りたいと思うところだって言ってた。それが人間の文明とか文化根源だって」
わからないことを知りたいと思う気持ち。それが私たちを、少なくとも私を動かしている。
「知りたい」と願うから、行動する。
この「しずかなインターネット」を始めたのだって、「知りたい」からだ。
これがどんなものなのか、これに書くことで私はどう感じるのか、何を考えるのか。
知りたいから、行動している。
天文台にあこがれる気持ちは、分からないものを知りたいという気持ちの表れなのだと思う。
遠い遠い先にある星をみること、そこに何があるかは分からないけれど、それを少しでも知りたいから、感じたいから、空を見上げるのだろう。
(出典)
小路幸也『そこへ届くのは僕たちの声』(新潮社、2011年)
ISBN:9784101277424
2023/12/27「天文台へのあこがれ」しずかなインターネットより